都合の悪い真実にも目を向けなければならないときがある。
皆さんにはそれぞれ信念、主張、信仰があると思う。しかし真実は1つしかない。


因果律:この宇宙には1つだけ不変の法則があり、それが因果律である。

われわれは、宇宙の現在の状態はそれに先立つ状態の結果であり、それ以後の状態の原因であると考えなければならない。ある知性が、与えられた時点において、自然を動かしているすべての力と自然を構成しているすべての存在物の各々の状況を知っているとし、さらにこれらの与えられた情報を分析する能力をもっているとしたならば、この知性は、同一の方程式のもとに宇宙のなかの最も大きな物体の運動も、また最も軽い原子の運動をも包摂せしめるであろう。この知性にとって不確かなものはなに一つないであろうし、その目には未来も過去と同様に現存することであろう。

ラプラス:著、内井惣七:訳「確率の哲学的試論」(岩波文庫)p.10

この宇宙に存在するあらゆる物質が物理学の法則に従っている。今まで例外は1つも見つかっていない。すべてを厳密に計算することができれば、脳内で起こる現象も含めて、すべてが予測可能である。あなたが自分の意志で決めたこと、それすらビックバンによって宇宙が始まったその瞬間に決められていたということになる。

自由意思の定義:まったく同じ環境(外的な条件が同じ、かつ脳の状態も同じ)において、別のやり方で行動できれば、あなたは自由である。

現実世界では、過去に戻って他の行動ができたか確かめようがない。しかし、同じ結果となるのは明らかである。


話はこれで終わりである。以下は、自由意志が存在するという間違った仮説を否定していくだけになる。



自由意思は存在せず、ビッグバンの始まりより過去・現在・未来すべてが決定していることが確実である。その上で・・・自由意志が錯覚であるという結論に達した私たちはどのような人生を送るべきだろう。すべてを諦めたほうが良いと結論して、何もしないことを選択し、一日中ベットで寝たきりで過ごしても、トイレやご飯を食べることを選ばなければならない。人生を終わらすことは、簡単でも、楽しい選択でもない。最終的には自由意志の存在を信じていなくても、自由意志があるかのように生き、死ぬことによってこの牢獄から抜けるのを待つしかない。(;´д`)=3トホホ・・

自由意志の存在を担保するには:
唯一の可能性としては、精神は物質から生まれているのではなく、この宇宙の物理法則には従わないという可能性である。例えば「魂があって、その本体は天国にあるので、この世の物理法則に縛られない」とか、「この世界はシミュレーションされた仮想現実であり、プレイヤーはこの世界とは違う物理法則で支配された外側の世界にいる」とかであれば、不可能ではない。そこまで異常な仮説を立てないと、自由意志は担保できないのだ!

ジョン・サールによる自由意志の説明
ある時間T1において行為者の心には信念や欲求があり、それは続くある時間T2において行為として実現されるのであるが、T1とT2のあいだにある飛躍 を、実際の脳の物理的なプロセスのなかにどのように位置づけるのか(T1とT2のあいだの脳のプロセスに物理的因果性が存在するなら、(1)自由意志は決 定論的な世界のなかの幻想であり、もし因果関係が脳の中に見つからなければ、(2)量子脳のような随伴現象的な説明を余儀なくされる。
 ド━━━(゜ロ゜;)━━ン!!
真理は2択ですよ。(1)は私たちが有機物からできた計算ロボットである。(2)は魂のようなものが存在する。
どっちでも明らかになったら、これ世界ひっくり返るよ。

自由意志を持たないと容易に同意できる例
あなたは自由意志を当然に持っていると思っているだろうが、次の例では明らかに自由意志なんて存在しない
・美しい物を見て感動する心
・誰かを好きになる気持ち
・怒りの衝動
おそらく同意してもらえると思う。

参考文献:
〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義
意識をめぐる冒険
「意識」を語る
意識、スーザン・ブラックモア
Wikipedia